|25|フォント4・様々なフォントと一覧

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世界の文字

日本語、韓国語、簡体字、繁体字、アルファベット以外の文字と記号について簡単に触れます。

様々な文字

かなり、面白い形の文字がインストールされています。アジア圏の文字が多く中近東のアラビア文字、ペルシャ文字やヘブライ文字などは含まれていません。これらの文字は昔、日本語を横書きするときと同じように右から左へ書くためでしょうか。モンゴル文字は縦書きですが、他の文字と合わせるために縦書きしたものを全体に90度回転させてあります。現在のモンゴルではキリル文字を使っているようです。日本語をローマ字表記するようなものでしょうか。ベトナムやマレーシアでもラテン文字に置き換わっています。日本では日本語と日本字はイコールですが、世界では言葉と文字はイコールではないことの方が多いようです。多くの日本人は漢字=日本語かもしれませんが、漢字は漢の文字なのですね。

色々な形の文字を見ていると何だか面白くなってきます。

記号、絵文字

記号や絵文字もいくつかインストールされています。

ラテン文字

ラテン文字というのは、私たちが日常的にアルファベットと言っている文字のことです。アルファベットとはラテン文字、ギリシャ文字、キリル文字(ロシア語の文字)を含みます。Windowsでもフォントのデザイン対象ではラテン文字という言葉が使われています。

ラテン文字の太さや文字幅について説明していきます。この記事の中で「ローマン体」という言葉が出てきますが、「ローマン」あるいは「ローマン体」には複数の意味があります。

●アルファベット全体を表す。

Illustratorのカーニング設定で「Metrics-Roman Only」ではアルファベット全体を表していて、日本語化された項目は「和文等幅」と表記されています。

●セリフを持つ字形の総称。

日本語の明朝体にある三角形の飾りのようなものを持つアルファベット。漢字では「ウロコ」と呼ばれ、アルファベットでは「セリフ」と呼ばれます。日本語のゴシック体に相当する字形は「サンセリフ」と呼ばれます。セリフが無いという意味です。アルファベットで「ゴシック」はフォントの固有名称になります。

●立体の文字

「立体」の文字というのはわかりづらいですが、イタリック(斜体)ではない文字のことです。斜体ではない文字を日本語では「正体」、ラテン文字では「立体」または「ローマン」と言います。
この記事ではウロコのようなセリフがある文字のことをローマンと書くことにします。

書体の分類

書体の特徴によって、日本語に明朝体、ゴシック体、筆文字などの区分があるようにアルファベットにも明朝体のようなローマン体(セリフ)、ゴシック体のようなサンセリフ、筆文字に相当するスクリプトなどがあります。それ以外にも様々にデザインされた特徴的なフォントがあり、ディスプレイと呼ばれたりします。

ローマン体に分類していいのか、サンセリフに分類していいのか迷うような書体もあり、厳密に決められているわけではありません。

ローマン体(セリフ)

上:Garamond 下:Century

ローマン体とはセリフを持つ文字のことで、漢字の明朝体のように線の端にある小さい飾りのようなものをセリフと言います。明朝体にある横棒の右側についている三角形は鱗と言われています。

セリフにも様々な形があり、その形状によってさらに分類されます。古典的なデザインのローマン体はローマ帝国のトラヤヌス帝を記念した円柱の台座にあるトラヤヌス碑文が元になっていると言われています。Windowsにインストールされているフォントの中ではGaramond(ギャラモンド)にその雰囲気があります。

ローマン体も時代とともに出版に適したデザインやポスターに適したデザインのようにスタイルが変化してきています。長い文章などに汎用的に使われる書体ではTimes New RomanやCenturyなどがWindowsにインストールされています。

個性的なフォントとしてBodoni(ボドニー)ファミリー11書体がインストールされています。

サンセリフ

上:Arial 下:Century Gothic

サンセリフとはセリフが無いという意味のフランス語です。漢字のゴシック体と同じようなものと考えていいでしょう。ただ、アルファベットにもゴシックという名前がつくフォントがありますが、サンセリフ全体を現す言葉ではなく、フォント固有の名前と理解しておいてください。

サンセリフは19世紀ごろに誕生しました。サンセリフの古典と言われるHelvetica(ヘルベチカ)というフォントがありますが、Windowsにはインストールされていません。似たようなフォントとしてArial(エイリアル)があり、10書体がインストールされています。

個性的なサンセリフも色々あります。私はCentury Gothicをよく利用します。

スクリプト

上:Edwardian Script 下:Bradley Hand Gothic

スクリプトとは手書き文字のことで、いくつかに分類できます。カリグラフィと呼ばれるペン書道のような文字、ハンドライトと呼ばれるブラシで書いたような文字、コミックで使われるような文字など多くのフォントがインストールされています。

Old English Text

ブラックレターと呼ばれる書体があります。昔の聖書に使われていた書体と言えばわかりやすいと思います。グーテンベルグが初めて近代的な活版印刷を実用化したときに最初に印刷したのが聖書でした。もちろんブラックレターを使って。

WindowsにはOld Enblish  Text MTというフォントがインストールされています。

ディスプレイ

上:Magneto 中:Jokerman 下:Aleberian

ローマン体、サンセリフ、スクリプト以外にもデコラティブなフォントやポスターなどに向くフォントがインストールされています。ディスプレイと呼ばれることもあります。中には小文字がなく、大文字だけのフォントもあります。

等幅フォント

上:Courie New 下:Courie New Bold

等幅フォントはMonospaceと書かれていることもあります。文字通り文字幅が一定のフォントですが、日本語の英数半角等幅フォントのように文字幅が極端には狭くなく、「W」と「i」が並んでも日本語の半角ほど違和感はありません。昔の機械式タイプライターや空港などのパタパタ式案内板は物理的に幅が一定でなければならなかったのでその名残りです。現代ではOCR文字やプログラムを書くときに使います。

フォントファミリー

Segoe UI ファミリー
Bodoni ファミリー

同じコンセプトや同じデザインテイストで太さや文字幅が変化する一連のフォントをフォントファミリーと言います。太さの種類だけではなく、アルファベットの多くは文字幅にも変化があります。一般的に太さが太くなると文字幅も広がるのが普通ですが、基本的な文字幅が視覚的に幅狭、幅広という感じです。文字幅が狭いフォントをコンデンストやナローと呼び、幅が広いフォントをエキスパンドと呼びます。太さと文字幅で多くの組み合わせが生まれます。

Bodoniには通常の文字幅のほかに文字幅の狭いコンデンスト、さらに狭いポスターコンプレスドというフォントがあります。

ボールド、イタリック

太さは “|24|フォント3・ボールド、イタリック” で説明したことと同じです。日本語と同じようにBボタンやIボタンで指定しますが、フォントがインストールされていればそのフォントに置き換わり、なければ模擬的に太らせたり、斜体にします。フォントリストに表示されないのも日本語と同じです。Bボタン、Iボタンの仕組みでは最大でも4書体しか管理できません。フォントの中には太さが数種類あるものもあり、この仕組みからはみ出してしまうのは游ゴシックと同じです。

Arialにはレギュラー、ボールド、ブラックと3種類の太さがありますが、フォントリストにはArialとArial Blackの2書体が表示され、ボールドはArialのBボタンで指定します。

同じ名前でもファミリーではないことも

アルファベットフォントの名称は複雑、というより脈絡がなく、同じ名前でもファミリーではないことがあります。

CenturyとCentury Schoolbookはローマン体で同じファミリーですが、Century Gothicはサンセリフです。
Lucidaと名前のついたフォントが多くインストールされていますが、フォントファミリーではありません。Lucidaの後ろにカリグラフィとかコンソール、ハンドライティングなどとフォントの分類がわかるような名前の付け方になっています。

数字の文字幅

通常、日本語フォントとセットになっている数字はほとんどが等幅になっています。アルファベットがプロポーショナルでも数字は等幅なのです。これはエクセルなどで上下の行に数値が並ぶ際に桁が合うようにするためです。Windowsに最初からインストールされている日本語フォントで数字が等幅でないのはレギュラー以外のYu Gothic UIの4書体、BIZ UDPゴシックの2書体、BIZ UDP明朝です。BIZ UDゴシックとBIZ UD明朝は元々英数半角等幅フォントなので等幅です。BIZ UDPフォントを使用する際は気をつけてください。

一方、アルファベットではインストールされているフォントの数字は約半数がプロポーショナルフォントなのです。同じフォントファミリーの中でも等幅フォントとプロポーショナルフォントが混在しているものがあり、何やらとてもややこしいです。

確認方法は「023456789」「011111119」という文字列を2行に配置し行揃えを左揃えにし、2行を選択して背景のグレー部分の右端が揃うかどうかで判断します。ポスターなどで日付を大きくしたい場合など等幅の数字を使うと字送りの調整が必要になります。2010年代の日付には苦労しました。
プロポーショナルな数字はポスターやチラシを作るのには適していると思いますが、数字がリストのように縦に並ぶ表などには向きません。注意して使うようにしてください。

Segoe UI

Segoe(シーゴ)UIはライト、セミライト、レギュラー、セミボールド、ボールド、ブラックの6種類の太さがありますが、数字が等幅なのはレギュラーとボールドの2書体で他はプロポーショナルになっています。

このフォントはYu Gothic UIのアルファベット部分と組み合わせられているのでYu Gothic UIレギュラー以外のライト、セミライト、セミボールド、ボールドの4書体はプロポーショナルになります。

MicrosoftのドキュメントページによるとYou Gothic UIのボールドはSegoe UIのボールドが組み合わせられていることになっていますが、実際にはセミボールドとの組み合わせなのでプロポーショナルな数字になります。

バリアブルフォント

バリアブルフォントというものがあります。太さや文字幅を自由に変えることができるというものです。Bボタンで模擬的に太くするのではなく、輪郭のラインデータを変えることで太くしたり、文字幅を変更する仕組みです。元のフォントは1書体だけで、Webフォントとして使うと多くのフォントをダウンロードしなくて済むようになります。Wordにはラインデータを変える仕組みはないのですが、あらかじめ数種類の太さや文字幅のデータを決めておけば、フォントを1書体だけインストールすれば済みます。

Illustratorのようなソフトでは太さや文字幅を無段階に変化させる仕組みがあります。

Bahnschrift

Bahnschrift(バーンシュリフト)というフォントがインストールされています。バリアブルフォントです。ライト、セミライト、レギュラー、セミボールド、ボールドの5種類の太さに通常の文字幅、セミコンデンスト、コンデンストの3種類の文字幅で合計15書体のファミリーになっています。

フォントフォルダを開くと15書体分のファイルがありますが、どのファイルを開いてもフォント名がBahnschrift Lightになっていてアルファベット部分のプレビューが太さや文字幅に関係なく同じフォントになっています。

Wordでこのフォントを指定すると確かにコンデンストは文字幅が狭く、ボールドは太くなりますが、pdfに書き出すと文字の形が崩れてしまいます。文字の太さ、文字幅は変わらず字送りだけが狭くなって文字が重なってしまいました。Illustratorからpdfに書き出しても指定した太さや文字幅を保っているので、Wordはpdfへの書き出し方法が異なっているのでしょう。

試しに15個のファイルのうちの一つをMacにインストールしてみました。PagesというWordのようなソフトでこのフォントを指定すると15書体のファミリーを選択できるようになり、1書体のフォントファイルで様々な太さや文字幅を選択できることが確認できました。pdfに書き出しても字形は崩れません。

Mac版OfficeをインストールしたときにインストールされないWindowsフォントをMacで使うのはライセンス違反だと考えられますので、確認後、アンインストールしてあります。

フォントリスト

全てのアルファベットにボールドやイタリックがインストールされているわけではありません。漢字ほど画数が多いわけではないので模擬的なボールドでもさほど気になるわけではありませんが、字形のサンプル付きでリストを作りました。日本語以外は2018年の頃のフォントリストになります。現在ではもう少し増えているのですが、こんなに面倒なことは2度としたくはないので、少し古いデータでお許しください。

リストの説明

日本語明朝、日本語ゴシック、日本語その他、韓国語、簡体字、繁体字、記号、他の言語(CJK、アルファベット以外)、汎用的サンセリフ、個性的サンセリフ、汎用的ローマン、個性的ローマン、古典的ローマン、ハンドライト、カリグラフィ、ブラックレター、ディスプレイ、等幅アルファベットの18シートがあります。汎用的、個性的、古典的というのは便宜的な分類です。ダウンロードできます。

by Guantare.com