|9| ガンタレ流儀3 テキストボックス

|9| ガンタレ流儀3 テキストボックス

テキストボックス

文字は全てテキストボックスに入力してレイアウトします。

リボンの|挿入 > テキストボックス|を選択します。

 

「シンプルテキストボックス」を選択します。

 

挿入されたテキストボックスを選択し、|書式タブ > 文字列の折り返し > 前面|を選択するか、テキストボックス右に現れる「レイアウトオプション」のアイコンをクリックして「文字列の折り返し」から「全面」を選択します。さらに「ページ上の位置を固定」にチェックを入れます。テキストボックスの文字列の折り返しの既定値は「四角形」で左右の余白に配置することができますが、上下にの余白には配置できません。前面を選択することにより、上下の余白へ配置できるようになります。また、「文字列と一緒に移動する」にチェックが入っているのが既定値です。このままですと本文のテキスト入力エリアの文字列と一緒に動いてしまいます。ガンタレ流の場合、本文のテキスト入力エリアに文字を入力することはないのですが、うっかりして改行を入れてしまうこともあるので「ページ上の位置を固定」にチェックを入れています。

 

テキストボックスの|図形の塗りつぶし > 塗りつぶしなし|にします。既定値では「白」になっています。「白」と「塗りつぶしなし」は分かりづらいのですが、写真などの上に文字をかける場合は「塗りつぶしなし」の方がスッキリします。

 

テキストボックスの|図形の枠線 > 線なし|にしておきます。

 

テキストボックスと文字の余白を設定します。リボン|書式 > 図形のスタイル|項目の右下ダイアログボックスをクリックして「図形の書式設定」ダイアログを表示します。「図形のオプション」と「文字のオプション」がありますが、どちらを選択しても余白の設定ができます。

「図形のオプション」の場合は上の方に並んでいるバケツと五角形と十字のアイコンのうち右側のアイコン「レイアウトとプロパティ」を選択します。文字のオプションの場合も A A A と並んでいるアイコンの右側のアイコン「レイアウトとプロパティ」を選択します。表示される内容は「図形のオプション」も「文字のオプション」も同じです。上下左右の余白を「0mm」にします。

余白を0mmにするのは他の図形などと左右の位置を合わせやすくするためです。ただし上の余白は少し残ります。これは行間の設定に関係します。

 

文字列の行間を設定します。Wordでは「行送り」と「行間の間隔」は同じ意味で使われています。出版業界やデザイン業界では「行送り」と「行間」は異なる意味で使われます。

テキストボックスの中に適当な文字列を改行を入れずに1段落分入力し直します。

テキストの一部を選択して、リボン|ホーム > 段落|項目の右下「ダイアログボックス」(ダイアログボックス起動ツールという名称らしいですが、長ったらしいので)をクリックしてダイアログを表示させます。

|インデントと行間隔 > 間隔|から「行間」を「1行」から「固定値」に、「間隔」を取り敢えず「18」にします。行間は文字の大きさ、フォントの種類、文字列の内容(本文、注釈、住所電話番号など)によって異なります。固定値以外だと同じ大きさの文字でも行間が広くなったりします。

 

サンプルでは全部で9個のテキストボックスを使っているのですが、段落や余白の設定など面倒なので、様々な設定が終わったテキストボックスをコピーして8回貼り付けます。

上段の中央に2個、中段右側に2個、中段から下段左側に5個を配置します。

 

それぞれのテキストボックスに文字を入力するのですが、サンプルのテキストファイルからコピーして貼り付けても構いません。その場合は通常の貼り付けではなく、|ホーム > 貼り付け > 文字のみ保持|(右端のアイコンです)を選択して貼り付けてください。そうしないと「固定値」に設定した行間が既定の「1行」に戻ってしまいます。

 

テキストボックス内の文字列の設定をしていきます。

「板橋 妖怪物語」の文字設定をします。文字列を選択しておきます。

|ホーム > フォント|から「游明朝Demibold」を選択し、40ptにします。次に|ホーム > 段落|から「中央揃え」を選択します。

 

|ホーム > 段落|の右下ダイアログボックスをクリックして段落ダイアログを表示します。行間の間隔を42ptに設定、配置(行揃え)は中央揃えにしてテキストボックスを横に広げて1行に収まるようにします。

行間を固定値に設定した場合、1行目の上に行間から文字の大きさを除いた分よりやや狭い空きが出てしまいます。1行や倍数などにした場合は行間から文字の大きさを除いた数値の半分ほどの空きが出ます。タイトルなど1行で収まる文字数で大きな文字はその大きさに近い行間にしておくとスッキリします。

ただし、文字の大きさと同じ行間だと文字の上の部分が切れてしまいます。20pt以下の文字であれば文字の大きさに1ptを足した行間、それ以上だと5%程度を足した行間にすればいいでしょう。

 

左側は10.5pt、中央は11pt、右側は18ptに固定値で行間設定してあり、分かりやすくするために文字の背景に色を入れてあります。

左側は文字の上部がわずかに切れています。

固定値の欠点としてディセンダー(小文字で下の方に突き出している部分)が長いアルファベットは下部が切れることがあります。日本語とほとんどのアルファベットでは問題ありませんが、スクリプト系のフォントや古典的なフォントは注意が必要です。

例はGigiという手描き風のスクリプト書体で、1行目の行間は「1行」、2行目の行間は「固定値18pt」に設定してあります。左右は同じもので左側はグリッド線をさせて切れる位置を分かりやすくしてあります。

 

この問題は文字の位置を上げれば解決します。

文字列を選択してから|ホーム > フォント|から右下ダイアログボックスをクリックしフォントダイアログを表示させます。「詳細設定」の「位置」を「上げる」に設定します。「間隔」で上げるpt数を入力します。ここでは1ptに設定してあります。0.5pt単位で設定できるようです。

 

サンプルの指定通りにフォント、文字の大きさ、行間を設定します。行揃えは両端揃えにします。左揃えにしておくと数字やアルファベットが入った時に右端が揃わなくなります。

文章の中には段落先頭を字下げにしてあるものがあります。スペースで字下げするケースを見かけるのですが、インデントで設定する方がスマートです。

テキストボックス内の文字列を選択し、|ホーム > 段落|の右下ダイアログボックスをクリック、「インデントと行間隔」を選択、「インデント」項目の「最初の行」から「字下げ」を選び、「幅」を1字にします。

 

最初の行が字下げされました。

段落設定は次の段落に引き継がれますので、段落の後に改行を入れて文章を入力し続けると自動的に字下げされます。議事録などで小項目の先頭は字下げしたいが、途中字下げなしで改行したい場合などはシフトキーを押したままエンターキーを押すと字下げされずに改行できます。これはぶら下げでも同じです。これを段落内改行といいます。
改行記号を表示させると分かるのですが、通常の改行とは記号が異なります。

テキストボックスの処理が終わったら写真を挿入して全体のレイアウトを整えていくことになります。