2011年 初めての個展

2011年 初めての個展

ギャラリー403

2011年 この年、銀座にあるギャラリー403で初めての個展を開きました。

一人で会場を埋めるだけの作品を作ることができるのかとても心配でしたが、なんとか一年がかりで50点近くの作品を作ることができました。それでもお買い上げいただいたお客様が作品を持ち帰られるので会期が終わる頃には会場が淋しくなってしまいました。

奥さんは電動ロクロを使わず、卓上の回転台を使って手びねりとかひもづくりと呼ばれる方法で作品を作っています。その上、釉薬で絵付けをせず、線を彫り込んだ溝に顔料を混ぜた土を埋め込んだり、白化粧した上から白化粧を掻き落として絵を描いたりしているので1個の作品を完成させるのにとても時間がかかります。

個展の案内状に使った写真。皿の中で数羽の鳥が舞っています。

 

ギャラリー403は銀座にある古いビルの4階。窓の外にはちょっとした空間があり、緑の葉っぱが柔らかな光を届けています。

 

葉っぱ模様の皿

 

青いところは釉薬ではなく呉須(コバルト化合物)という顔料を混ぜた土で葉っぱを描いています。
生地自体にも呉須が混ざっていて、白化粧を施してから掻き落とし、さらに呉須を少し多めに混ぜた土で描いたもの。混ぜる呉須の量や呉須を混ぜた土の量で青い色の表情が豊かになります。

 

遮光のために植えていたヘブンリーブルーという昼顔の葉っぱが逆光の中で揺らめくのを見てインスピレーションを得たものです。

 

葉っぱの皿

 

葉っぱの模様を描くのではなく、葉っぱそのものを作ろうとしています。
他の作品と同じように呉須を混ぜた生地に白化粧して葉脈などを彫り込んでいます。

 

 

 

青の小鉢と皿

 

 

 

コーヒーカップ

 

この展覧会ではコーヒーカップの出品が多くなりました。

 

 

蓋物

 

チタン釉の瓢(ひさご)型の蓋物
酸化チタンの粉末を加えた釉薬で艶のある金属的な白さになります。
ひもづくりで全体を作り上げてから切り込みを入れ、身と蓋に分けています。

 

小さな匙がついた蓋物。
匙はケヤキの木で蓋の凸凹に合わせて削っています。
これは土の塊で外形を作り、上下に分けてから中をくり抜く方法で作ってあります。