土いじりを始めた頃  

土いじりを始めた頃  

トンボのランプ

突然、土いじりをやりたいと言って奥さんは陶芸教室に通い始めた。最初の頃はランプシェードばかり作っていた。成形した粘土にトンボや蝶々、草花などを透し彫りし、釉薬を使わずに焼きしめたものである。
どこからか木を手に入れて皮を剥き、穴をあけ支柱をたてランプに仕立てていった。

  Photo by T.Sugiura

  Photo by T.Sugiura

奥さんは美術大学で工芸を専攻していた。その大学の陶芸がお気に召さなかったようで金属工芸を学んでいたが、とうとう土いじりを始めたというわけである。陶芸作家が職業というわけではないが、いつの間にか1年に1回は展覧会をやるようになった。本人にとって陶芸は趣味ではなく、仕事・ライフワークなのである。