象の親子1 仔象

象の親子1 仔象

私が教員時代に関わっていた親子広場の先生がとても象のおもちゃを欲しがっていました。奥さんが陶器作りを始めた頃にもよく象の香立てやアロマポットを作っていたので、私もいつか象を作ってみようと考えていました。
奥さんが通っている「しぶや木工塾」は新宿のOZONE(オゾン)で毎年ゴールデンウィークに開催されているクラフトマーケットに出店するのが恒例でした。その時、ふらっと立ち寄った店に厚さ4〜5cmのナラとトチの木片があるのを目にして、購入してしまったのです。
お母さん象はゆったりと歩いて、仔象は何だかピョコピョコ歩くイメージがあったので動かすと胴体が左右に揺れるようにしたいと思いました。どうやって胴体を揺らそうか考え、左右の車輪の高さを変えることにしました。言葉ではわかりにくいと思いますが、車輪を円ではなく楕円にして長い方を左右で直角になるよう取り付けることにしました。

私の友人が梶ヶ谷工作倶楽部というスペースを解放していて、そこには電動糸ノコがあります。その糸ノコを借りることにしました。木の厚さが5cmほどあるので電動糸ノコが悲鳴をあげるような感じになりましたが、何とか外形を切り抜くことができました。

 

車輪や耳の厚みを薄くするために最初は自分でノコギリを挽くつもりでしたが、奥さんが通っている木工塾にはバンドソーがあるとのこと。1日会員にしてもらって木工塾のお世話になることにしました。

木工塾の方にいろいろと相談していたら、ここはベルトサンダーを使うといい、この部分はスピンドルサンダーを使うと楽に作業できるなどと様々な道具を出しきていただきました。

ここまでの木取りでは親子一緒に作っています。

 

 

作ることに夢中で作業中の写真がほとんどありません。

辛うじて「目」を作る工程だけスマホで撮影しました。

目玉はホームセンターで黒檀の板を売っていたので6mm厚のものを購入しました。目玉は直径が4mmの予定なので最初にノコギリで4mm幅に切ります。黒檀はとても固く刃物が傷みやすいので一番ボロいノコギリを使いました。

元は厚みが6mmだったのをヤスリで4mmに削って断面を正方形にします。四つの角をヤスリで落として八角形にします。写真は二つの角を落とした状態です。

 

八角形にしたら、さらに角を少しづつ落として丸くします。最後はサンドペーパーをかけてできるだけ滑らかにします。

丸棒になったらサンドペーパーで先端を丸くしていきます。

先端から2cmぐらいのところを切り、ピストルの弾みたいにします。

象の目の位置には3mmの穴を貫通させています。この穴を目のパーツの長さ分4mmに拡げて目を押し込みます。3mmの穴を貫通させたのは、目を押し込んでしまうと抜くことができなくなるので反対側から竹串を押し込んで目を押し出せるようするためです。目を押し込んでうまく収まるように目の長さを調整します。

両方から目を押し込むと竹串で押し出せなくなり、抜けなくなってしまいます。

なんだかんだでパーツが全て揃いました。後輪の軸受け穴が上下に広がっているのがわかると思います。写真ではわかりづらいですが、前輪は楕円になっています。組み立てる時に楕円の長い方が直交するように接着します。これで前輪が1回転する間に胴体が左右に2往復揺れることになります。

完成です。桜も満開になりました。

仕上げにはオスモカラーのノーマルクリアという塗料をを使いました。1回塗りで乾かないうちに拭き取って仕上げています。

メーカーでは拭き取ることを推奨していませんが、日本ではしっとりした仕上がりを好むせいか拭き取る人が多いみたいです。

オスモカラーはドイツのメーカーの製品で自然の植物油と植物ワックスからできた塗料です。赤ちゃんのおもちゃにも使える安全な塗料として定評があります。