|16| 写真の編集 1・フォトアプリ・iPhone・iPad

|16| 写真の編集 1・フォトアプリ・iPhone・iPad

このサイトの写真は通常、AffinityPhotoでアンシャープマスクを施しシャープになるようにしています。今回は弱めにしてありますが、アンシャープマスクをかけた写真も含まれます。アンシャープマスクの強弱は写真により異なっています。グラデーションにはアンシャープマスクをかけていませんが、テストしたデータより解像度を低くしてあり、圧縮率も高いのでテストデータと同じではありません。

 

私は普段、写真の編集にAffinityPhotoというアプリを使っています。使い始めて2〜3年ですが、以前はPhotoshopを10数年間使ってきました。

先日、あるNPO法人を主催している方からWordで作った法人のチラシが送られてきました。前年のチラシと比べるといい出来だったのですが、惜しいことに写真に写っているお母さんと子供の顔が少し暗いのです。写真全体は綺麗に撮れているので顔のあたりを明るくすればいいのですが、Photoshopを持っているわけではないのでフォトアプリは使えないだろうかと思い、試してみることにしました。色々と試した後で、その人がiPadで写真を撮っていることを思い出し、それなら写真アプリの方が手っ取り早いと思って試してみることにしました。
色々と試した結果を2回に分けて説明します。

今回は写真の修正・編集についてですが、Wordでの修正だけでなく、Windows10に最初からインストールされている「フォト」アプリやiPhone、iPadに入っている「写真」アプリについて説明します。

中でもiPhone、iPadなどiOSの「写真」アプリは秀逸な出来なのでiOSをお持ちの方は「写真」アプリで編集することをお薦めします。
Androidは持っていませんので触れませんが、iPhoneにインストールした「Googleフォト」アプリはiOSのブリリアンス機能以外は「写真」アプリと似ています。

iOS「写真」アプリのブリリアンス機能というのは他にはない写真編集機能で、とても秀逸な機能です。

写真編集の考え方

最近のカメラは画素数(ピクセル数)が多くなり精細に撮れるだけでなくHDRという機能など多機能になってきて、色合いも綺麗に仕上げてくれるようになりました。特に最新のスマホカメラの機能は素晴らしいものがあり、Wordに挿入しても綺麗に再現されることが多くなっています。
フィルムカメラと違い、デジタルカメラ(スマホカメラももちろんデジタルです)は撮影した写真から人が美しいと感じるように露出や色合い、シャープネスなどをバランスよく調整しています。

しかし、写真全体はバランスよく撮れているのに人物の顔の部分がちょっと暗いとか天気が良すぎてコントラストが強く、ディテールがよくわからないということがあります。
カメラはあくまでも一般的なというか万人受けするように仕上げるのですが、撮影者の意図とは異なることがあります。

そんな時に被写体の狙った部分がよくわかるように修正・編集をしていきます。

写真の仕上がりについて多くの人は色合いを気にするかもしれませんが、今回は色合いについては触れません。
写真の編集は写真が持つ階調を先に調整する方が良いと考えているからです。

階調とは調子とも言いますが、写真から色を取り去ったモノクローム(白黒、グレースケール)の状態で黒から白までの間に変化するグレーの濃さの度合いのことです。

写真の階調

写真は白に近いグレーから黒に近いグレーまでの段階が豊富にあって、真っ白い部分と真っ黒い部分が少しあるという状態が理想です。

写真全体で明るめのグレーが多いと柔らかく、優しい感じになり、暗めのグレーが多いと力強く、存在感を感じさせます。中間のグレーが少なく、暗めと明るめのグレーが多いとコントラストが強くなり、夏のような雰囲気に、暗めと明るめのグレーが少なく中間のグレーが多いとコントラスト弱くなり、秋のような雰囲気になります。

いずれの場合でも表現力を豊かにしようとすると僅かでも真っ黒な部分と真っ白な部が必要です。

逆に真っ黒な部分や真っ白な部分が多すぎると下手な写真に見えてしまいます。このような写真はハイライトが飛んでいるとかハレーションを起こしていると言ったり、シャドウが潰れていると言います。

ローキー(暗い面積が多い)な写真

ローキーな写真は重厚感があり、歴史の重みを感じさせます。高級な商品の広告や歴史的建造物、仏像などの写真集によく使われます。

 

古い石垣の写真

石垣で囲われた沖縄のお墓です。暗めの階調が多い写真ですが、石積みのディテールは表現されています。

 

古い石垣の写真・暗すぎる例

シャドウが潰れた写真で石積みのディテールがわからなくなってしまっています。

ハイキー(明るい面積が多い)な写真

ハイキーな写真はソフトな感じで軽さを感じます。化粧品の広告や女性のポートレートでよく見かけます。

 

結球前の白菜の写真。明るく柔らかな雰囲気

結球前の白菜で明るい階調が多い写真。葉脈が表現されながら柔らかな表現になっています。

 

結球前の白菜の写真。白が飛んで少し硬くなった写真。

明るい部分の階調が飛んだ写真。葉脈の表現が硬くなり柔らかさが失われています。

コントラストが少ない写真

コントラストが少ない写真は静かな雰囲気があります。

 

枯葉が積もった遊歩道の写真。静かな雰囲気。

枯葉が積もった秋の遊歩道で全体的に中間の階調が多い写真。白い部分も黒い部分の残っていて、それなりにメリハリがあります。

 

枯葉が積もった遊歩道の写真。こんトラスがなく眠い写真。

白い部分、黒い部分がなくなるとぼやけた感じで、眠い表現になっています。

コントラストが強い写真

コントラストが強いと躍動的な感じがします。

 

クッキリした雲がある夏空を室内から撮った写真。

クッキリとした雲がある夏空の写真。窓のサッシ部分、日よけの下側、雲のディテールなどは表現されいます。

 

クッキリした雲がある夏空を室内から撮った写真。コントラストが激しすぎて室内のディテールが潰れている写真。

コントラストが強すぎる写真。室内は潰れて雲のディテールも飛んでいます。

ハイライトが飛んでいる部分やシャドウが潰れている部分が多い写真は編集しても良い結果は得られません。階調がない部分は編集しても階調を持たないグレーになるだけで階調を得ることはできません。

プロのカメラマンはRawと言われるjpgより多くの階調を持つデータで撮影して編集します。Raw形式の写真は専用のアプリで編集することになります。

 

写真を編集してみる

最近のカメラは性能が良いので、よほどのことがない限り、変な写真にはなりません。

次の写真は古民家を移築した公園で撮影したものです。このような被写体の場合、昔のカメラなら明暗の差が大きすぎて空の階調が飛んでしまい雲が映りません。iPhoneで撮影しているのですが、HDR機能のお陰で雲まできちんと写っています。何も調整せずにそのままモノクロームにしています。

欲を言えばもう少し室内が明るくなれば良い感じになります。真っ白な部分と真っ黒な部分はそのままにして、中間のグレー階調を明るくすれば良いのです。

 

古民家の写真。

階調調整・Windowsの場合

 

古民家の写真・Windowsフォトアプリで調整したもの。

これはWindowsの「フォト」アプリで「ライト」という項目を明るめに調整したものです。室内の階調が少し明るくなって良い感じになりましたが、空も全体的に明るくなり、雲がはっきりしなくなりました。これはグレーの階調が全体的に明るくなったために空と雲の階調差が少なくなったからです。

階調調整・iOSの場合

 

古民家の写真・iOS写真アプリで調整したもの。

こちらはiPhoneの「写真」アプリで「ライト」という項目を明るめに調整したものです。室内の階調が少し明るくなりましたが、雲の形もきちんと残っています。むしろ調整していない写真よりはっきりとした感じがあります。茅葺き屋根のディテールもくっきりしています。

「フォト」アプリでも「写真」アプリでも「ライト」と名付けられた機能ですが、階調を調整する内容は異なるようです。

 

メーター周辺とタンクをアップで撮ったバイクの写真。

これもiPhoneで撮影したものをモノクロームに変換してあります。室内での撮影です。

 

メーター周辺とタンクをアップで撮ったバイクの写真。iOSで調整したもの。

こちらは中間のグレー階調を暗めにして金属の質感を強調したものです。
iOSの「写真」アプリの「ライト」項目を調整しています。

次回は階調編集について具体的に説明します。