|19| インデント・ルーラーでの設定

|19| インデント・ルーラーでの設定

前回はインデント、タブなどで使われる「文字幅」について書きました。段落ダイアログボックスではインデントやタブを「文字幅」で指定するのが基本になっています。
インデント、タブはルーラーでも設定できます。段落ダイアログと違いリアルタイムで変化を見られるので直感的に設定することができます。

ルーラー、アイコンの表示

ルーラーには水平ルーラーと垂直ルーラーがあります。両方ともページ余白の左上を基準にして表示されます。ルーラーの背景が白くなっている範囲がテキストを入力できる範囲になります。

画面キャプチャ・ルーラーの表示

表示されていない場合はリボンの|表示タブ > 表示|でルーラーにチェックを入れます。
テキストボックスが選択されている場合は、テキストボックスの余白を除いた部分がルーラー上に白く表示されます。

ルーラーの単位

水平ルーラーではページ設定での字送り値に基づいて文字数が単位として表示され、垂直ルーラーではページ設定での行送り値に基づいて行数が単位として表示されます。
インデントやタブは文字ごとではなく、段落ごとに設定されます。

Mac版では両方ともmmが単位として表示されます。

アイコン

ルーラーの左端にあるマーカーアイコンの中で、上側にある三角形(実際には五角形です)が字下げインデントマーカー、下側にある三角形の部分がぶら下げインデントマーカー、その下にある小さな四角形が左インデントマーカーです。

右側にある三角形が右インデントマーカーになります。これらのマーカーを左右にドラッグすることでインデントを設定できます。

インデント設定

左右インデント

画面キャプチャ・左インデント設定

それぞれのマーカーを移動することでインデントを設定できます。

字下げ、ぶら下げインデント

画面キャプチャ・字下げインデント

字下げインデントマーカーを右に移動すると1行目が下がります。

画面キャプチャ・字下げインデント

ぶら下げインデントマーカーを右に移動するとぶら下げになります。

画面キャプチャ・字下げインデントドラッグ位置

ぶら下げインデントを設定するには下側の三角形ではなく、その先端か字下げインデントとの間ぐらいをドラッグする必要があります。これには少し慣れが必要です。

画面キャプチャ・左インデントの振る舞い

ぶら下げインデントを設定した後で左インデントを移動させると段落全体が移動します。ぶら下げインデントと左インデントはバラバラに動くような気がしますが、実際にはバラバラに動くことはなく、同時に動きます。

段落ダイアログでは文字列の一番左の文字から左側が左インデントという感覚で数値を入力するのですが、ルーラーの設定では2行目以下の文字列の左側が左インデントで1行目のインデントを左側へ移動するとぶら下げインデント、右側へ移動させると字下げになるという感覚です。

字下げインデントマーカーは左側へ移動させることもできます。この時に設定された余白より左側へも移動させることができます。

字下げインデントマーカーを左側へ移動させた後で左インデントマーカーを右に移動させるとぶら下げと同じことになります。

インデント設定の値

前回でも書きましたが、左右インデントと字下げ、ぶら下げインデントでは設定した値の扱いが異なります。左右インデントは文字の大きさを変えても変わりませんが、字下げ、ぶら下げインデントは最初の文字の大きさに比例してインデントの位置が異なります。

インデントをきめ細かく動かす

インデントアイコンをドラッグするとき、6ptごとに動きます。アイコンの下に現れる縦の点線もアイコンの位置から微妙にズレてしまいます。きめ細かく動かすときはAltキーを押しながら、ドラッグすると微妙に移動させることができます。

日本語の文章の場合、字下げは1文字が多いので微妙に移動させてもぴったり合わせることが難しくなります。そのような時はルーラーを使うより段落ダイアログの字下げで1文字に設定する方が楽になります。

体裁を整える

ぶら下げの体裁

画面キャプチャ・ぶら下げの体裁

ぶら下げインデントで文章が長めの箇条書きなどの場合、ぶら下げインデントを設定した後で、1行目の項目と本文の間にマウスポインタを挿入してタブキーを押すと本文の先頭が揃います。

改行したいけれど、あらたな項目を設定したくないような場合はShiftキーを押しながらEnterキーを押します。これは段落内改行といい、段落の最初の行として認識されません。

画像ではテキストボックスに文字列を組んでいます。

両端揃えと左揃え

画面キャプチャ・両端揃えと左揃え

行揃えの設定によっては1文字の字下げが2行目以下の2文字目と揃わないことがあります。行揃えが左揃えの時は問題ありませんが、両端揃えの時は揃わないことがあり、文字の大きさが小さい時はあまり目立ちませんが、大きい時は気になることがあります。左揃えにすると文章の中にプロポーショナルフォントのアルファベットや数字が入っていると右端が揃わなくなります。英語では右端を揃えない組み方もありますが、日本語では右端を揃えることが普通です。両端揃えとは行幅に入る文字の左端と右端を揃えて間の文字を均等に配置する機能です。行幅が文字の大きさの倍数+2〜4ptになるようページ余白を設定するか、右インデントで調整します。完全ではないですが、目立たなくなれば問題なしとしましょう。

画像は比較しやすいようにテキストボックスの余白を「0」に設定しています。

やり直し

異なるインデントを設定した複数の段落を選択し、インデントマーカーを移動させると思わぬ挙動をすることがあります。また、元に戻そうと思ってマーカーを移動させても元通りにならないこともあります。

全体が思い通りにならなくなって収集がつかなくなったら、すべてのインデントを解除してやり直す方が早いかもしれません。

すべてのインデントを解除するには、インデントを設定した段落すべてを選択し、段落ダイアログで左右のインデントを「0」に、最初の行のインデントを「なし」にすることで解除できます。